今年も既存の書籍をインタラクティブなコンテンツにデザインします。
今回は絵本を題材にインタラクションのデザインにチャレンジします。
今日は公園へでかけて、自然に触れながら、絵本の世界観を再現してみるワークショップです。
アクティングアウトも交えながら、絵本の世界観を理解します。
2011年07月13日
2011年07月08日
擬態語をデザインする
今年のWebデザイン科は、電子書籍のためのインタラクションデザインをテーマに、絵本をデザインします。
擬態語をテーマにした絵本です。
まずは、対になる擬態語を決めて、その様子や状態を表すのに適切なイメージを写真から選びます。
次に、対になっている言葉の差異を明確にするために、抽象的な形状に表します。
このようなエクササイズ課題を、次週はFlashで動くスケッチとして表現します。
擬態語をテーマにした絵本です。
まずは、対になる擬態語を決めて、その様子や状態を表すのに適切なイメージを写真から選びます。
次に、対になっている言葉の差異を明確にするために、抽象的な形状に表します。
このようなエクササイズ課題を、次週はFlashで動くスケッチとして表現します。
2010年07月12日
多摩美吉橋研究室へおでかけ
先日の日本デザイン学会で多摩美の吉橋先生に研究をプレゼンできなかったので、今日は八王子キャンパスまでお邪魔し、研究のアドバイスと先生がやられている授業実践の見学に行きました。
吉橋先生とは、私が院生をやっているときからお付き合いが続いていて、修了制作もアドバイスをいただくなど、研究成果についていつもコメントをいただいております。
今年のデザイン学会は私の発表時間が遅かったため、プレゼンが出来なかったため、今日研究を説明しアドバイスをいただきました。
いつものように説明下手なわたしでしたが、内容を汲み取っていただきながら、的確な示唆をいただきました。
さすが!研究のプロ。ザーッと目を通すだけで何をしているのかについて察していらっしゃいました。
今年で2年目を迎えるリフレクションについての研究ですが、もう一年継続を予定しています。来年はリフレクションツールの提案まで持って行きたいので、それについてのアドバイスをいただきました。
リフレクションをテーマにした研究は多いのですが、学習者の学びを支援するためのデザインは着手されていないので、ぜひ形にしたいところです。
ものづくりにおいて、リフレクティブにプロセスを見て、デザインプロセスに埋め込まれた発見を俯瞰することで、デザイナーとしての知を蓄積したり、共有することがねらいです。
いただいたアドバイスをもとにもう少し研究の方向性を練り、教育実践を積み上げて行きたいです。
2010年07月05日
日本デザイン学会第57回春季研究発表大会in長野・上田市
日本デザイン学会第57回春季研究発表大会が長野・上田市で開催されました。
昨年に引き続き、リフレクションをテーマに研究発表を行ってきました。
体験型学習による情報デザイン教育の実践
井上順子、小山内靖美、千葉礼美、永井大輔、室津悠樹(日本電子専門学校)
多くの方に研究発表をすることができ、沢山の示唆をいただくことができました。
<全般的なコメント>
- 学習者自身が活動の中でリフレクションを行うことは重要ですね。Reflection in action.につながる考え方ですね。
- リフレクションツールが面白い。
- ツールをぜひ完成させて欲しい。面白いものができそうだ。
- ツールを使ってみたい。
- 活動のつながりが見えるのが良い。
- リフレクションツールを使ってみた効果はあったか?
- 本来であれば学習者自身がリフレクションを行うべき。ツールとして完成すれば効果も期待できそうだ。
- 最終的にはリフレクションツールの形状はどのようなものを想定しているのか?アナログなカードなのか、Webサービスなどのようなものになるのか?
- リフレクションカードに書き込む内容について。何をもって気づきとしているのか。
<研究の掘り下げ方について>
- リフレクションのパターンについて精査、他にパターンがないかについて継続的に研究してみたら良いだろう。
- リフレクションパターンの概念について定義をしっかりさせると良いだろう。例えば「体験の想起」ではどんなことが特徴として行われどのような記述方法が向いているのか?など。
- 学習者のリフレクションを意図的に引き出すためのしかけ(ツール)と、学習者による自由なリフレクションを組み込めるようなしかけを検討すると良いのではないだろうか?
- リフレクションしている様をつぶさに観察して、実際に学習者が行っているリフレクションの様相をありのまま取り込んでみる方法もあるだろう。学習者やデザイナーを対象とした観察(エスノグラフィー)が有効ではないか。
- ツールをデザインすることは、リフレクションに必要な要件を定義することと同義。まずは観察をしっかりすると良いだろう。
- リフレクションが効果的、必要とされるフェーズを抽出すると良いのでは。必ずしもデザインプロセス全体にまんべんなくリフレクションが必要なわけではないだろう。
- リフレクションのフェーズによって、適切なツールのかたちが異なってくるのではないか?
- 現在実施している学習のポートフォリオでも、無意識にポートフォリオの書き込みを挿入していないフェーズがある。
- リフレクション活動を意図的に挿入すべき
フェーズについて吟味すると良いだろう。
- 今回提案した扇状のツールは使いやすそうだ。小学校のポートフォリオとしてや、作品のプレゼンツールとしても活用できそうだ。
- リフレクションの記述方法について観察してみるといいのではないだろうか。
- 例えば、ポストイットに書き込んで貼付けるという方法や、スケッチを残す、文章で記述するなどいろいろなリフレクションの記述方法があるはず。
- 例えば、ポストイットに書き込んで貼付けるという方法や、スケッチを残す、文章で記述するなどいろいろなリフレクションの記述方法があるはず。
- リフレクションツールを使うことによって、活動を俯瞰してみることができるのが良い。
- チームワークで制作していると、コンセプトのズレやだれかの意見に引っ張られてしまい、軌道がはずれることがあり、そのまま修正されないで進んでしまう場合がある。
- そういったシーンで、リフレクションツールを活用すれば、他者の意見や自分の意見を共有しデザインの途中段階で活用していくことができそうだ。
今年の研究発表大会では、デザイナー、市民の表現活動、学習者の学びをデザインするなど様々なアプローチから、リフレクションに関連する研究について発表が行われました。
リフレクションに関連する研究発表は以下。
出来事の持つ構造を記録として視覚化するデザイン
等々力心太朗(千葉工業大学大学院)、原田泰(千葉工業大学)
出来事を視覚化するドキュメント・ウォールの活用
原田泰(千葉工業大学)
出来事のデザインに関する一考察
植村朋弘(多摩美術大学)、刑部育子(お茶の水女子大学大学院)、戸田真志(公立はこだて未来大学)
デザイナーとエンジニアの協調による情報デザインプロセス
堀江政弘(東北工業大学)、横川耕二(多摩美術大学大学院、多摩美術大学、独立行政法人科学技術振興機構)
コトの中に身をおくデザインの行為と思考
須永剛司(多摩美術大学)
2010年01月31日
リフレクションについて
昨年から研究テーマに掲げたいと思っているリフレクションについてまとめてみる。
「作って、語って、振り返る」…refrection on action(行為についての省察)
学習者は、ひとまとまりの教材やプロセスを経て、知識や体験を獲得しますが、美術教育では作品を制作した後に、プレゼンテーションや講評会を通じてリフレクションを行います。そして、学習プロセスをポートフォリオなどにまとめて振り返るという一連の学びを行います。
こうした、課題あるいは学びのステップ単位で「作って、語って、振り返る」プロセスを繰り返すことで、自身の経験を次の制作に反映させていきます。
※ドナルド・ショーンは、仕事(経験)を終えた後で、その経験全体について振り返りをすることを「リフレクション・オン・アクション(行為についての省察)」と呼んでいます。
「作りながら、振り返る」…refrection in action(行為の中での省察)
上記のように、経験全体について振り返るやり方とは区別されたリフレクションの定義に、refrection in actionがあります。
リフレクション・イン・アクションは、職場で課題や仕事に取り組んでいる間(経験している『間』)の振り返りを意味しています。
反省的実践(reflectivepractice)とは、行為がおこなわれている最中にも〈意識〉はそれらの出来事をモニターするという反省的洞察をおこなっており、そのことが行為そのものの効果を支えているとするドナルド・ショーンの議論です。
ショーンは、この洞察を〈行為の中の反省reflection-in-action〉、その行為者を〈反省的実践家 reflective practitioner〉と呼んでいます。
アウトプットを活性化する…リフレクション支援の方法
リフレクション支援の方法には一般的に以下のものがあるということがわかっています。
出典
デザインプロセスでは、ブレーンストーミング、アイデアスケッチ、アクティングアウト、ペーパープロトタイプ、モックアップ、プレゼンテーション、ユーザビリティテストなど様々なアウトプットの場面があります。
デザイナーが頭の中で思い描いている像(イメージ)をなるべく速くに外化して、評価したり、他者からアドバイスを受けたり、瞬時にアウトプットされたイメージから改良されたアイデアを創造できるなどのメリットがあり、プロのデザイナーはこの効果を体験的に良く理解し、インフォ−マルに行っています。
また、このアウトプットを契機に、気づいたことを自身の活動に反映させていくことを行っており、これが、アウトプットすることの重要な効果だと考えます。
すなわち、アウトプットを促すことが、リフレクションを活性化し、活動そのものを支持する1つのやり方だと言えるでしょう。
参考
Refrection…分野を越えたアーティストネットワーク
リフレクションとは? 〜体験を学びに変える手法〜
NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 リフレクションとは?
ソキウス/野村一夫/リフレクション 社会学的な感受性へ
「作って、語って、振り返る」…refrection on action(行為についての省察)
学習者は、ひとまとまりの教材やプロセスを経て、知識や体験を獲得しますが、美術教育では作品を制作した後に、プレゼンテーションや講評会を通じてリフレクションを行います。そして、学習プロセスをポートフォリオなどにまとめて振り返るという一連の学びを行います。
こうした、課題あるいは学びのステップ単位で「作って、語って、振り返る」プロセスを繰り返すことで、自身の経験を次の制作に反映させていきます。
※ドナルド・ショーンは、仕事(経験)を終えた後で、その経験全体について振り返りをすることを「リフレクション・オン・アクション(行為についての省察)」と呼んでいます。
「作りながら、振り返る」…refrection in action(行為の中での省察)
上記のように、経験全体について振り返るやり方とは区別されたリフレクションの定義に、refrection in actionがあります。
リフレクション・イン・アクションは、職場で課題や仕事に取り組んでいる間(経験している『間』)の振り返りを意味しています。
反省的実践(reflectivepractice)とは、行為がおこなわれている最中にも〈意識〉はそれらの出来事をモニターするという反省的洞察をおこなっており、そのことが行為そのものの効果を支えているとするドナルド・ショーンの議論です。
ショーンは、この洞察を〈行為の中の反省reflection-in-action〉、その行為者を〈反省的実践家 reflective practitioner〉と呼んでいます。
アウトプットを活性化する…リフレクション支援の方法
リフレクション支援の方法には一般的に以下のものがあるということがわかっています。
●Process display(プロセスを示す、表示する)※科学教育研究最新号 Vol.31 No.2の出口明子氏による論文「理科教育におけるテクノロジを利用したリフレクション支援の研究動向」
●Process prompting(プロセスを促進させる、刺激する)
●Process modeling(プロセスをモデル化する、可視化する)
●Reflective social discourse(社会的な会話を振り返る)
出典
デザインプロセスでは、ブレーンストーミング、アイデアスケッチ、アクティングアウト、ペーパープロトタイプ、モックアップ、プレゼンテーション、ユーザビリティテストなど様々なアウトプットの場面があります。
デザイナーが頭の中で思い描いている像(イメージ)をなるべく速くに外化して、評価したり、他者からアドバイスを受けたり、瞬時にアウトプットされたイメージから改良されたアイデアを創造できるなどのメリットがあり、プロのデザイナーはこの効果を体験的に良く理解し、インフォ−マルに行っています。
また、このアウトプットを契機に、気づいたことを自身の活動に反映させていくことを行っており、これが、アウトプットすることの重要な効果だと考えます。
すなわち、アウトプットを促すことが、リフレクションを活性化し、活動そのものを支持する1つのやり方だと言えるでしょう。
参考
Refrection…分野を越えたアーティストネットワーク
リフレクションとは? 〜体験を学びに変える手法〜
NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 リフレクションとは?
ソキウス/野村一夫/リフレクション 社会学的な感受性へ
2010年01月25日
ペルソナ/シナリオワークショップin名古屋
週末(1月23日土曜日)は名古屋で開催されるワークショップへ参加。
浅野先生講師の「ペルソナ/シナリオワークショップ」でした。
1.講義
2.ユーザインタビュー
3.分析
4.ペルソナ/シナリオ作成
5.プレゼンテーション
6.リフレクション
という内容。
今回は、普段授業で「仮の」「ラフな」ペルソナ/シナリオ作成で終わっている部分を打開したく、ユーザインタビューからペルソナ/シナリオ作成までの運び方を学ぶのが目的です。
浅野先生もおっしゃっていましたが、書籍で読んでも詳細なやり方がわからないのが、複数のユーザをインタビューしたインタビュー結果からKJ法により分類・分析し、ペルソナ像やゴールを導く手順。
1.講義
ペルソナ/シナリオ法を理解するためには、まずは人間中心設計(Human Centered Design)について理解して下さいということから、人間中心設計のプロセスについて講義してくださいました。
▼人間中心設計プロセエス
1)人間中心設計の必要性の特定
2)利用状況の把握と明示
ユーザ調査(フィールドワーク・オブザベーション・インタビューなどの手法が含まれる)
3)ユーザと組織の要求事項の明示[ユーザにどういった価値を与えるのか?]
ユーザ情報の視覚化(カードソート・ペルソナシナリオ法などの手法が含まれる)
4)設計による解決策の作成[モデル化]
プロトタイピング
5)要求事項に対する設計の評価
ユーザ評価(インスペクション評価・プロトコル分析・長期観察などの手法が含まれる)
参考:人間中心設計とは
ペルソナ/シナリオ法が有効となる背景として、以下のようなお話がありました。
▼これからのデザインは団体戦だ!
「ユーザー像の共有なくしては、戦えない」
「手法を共有化する」ということで、遠隔地にいるスタッフが急に集まっても同じ手法で開発できる。というメリットがある。
▼ガラパゴス化
企業の中の手法がその会社の中だけで定義されている。基本的な制作手法は理解して、共通言語として理解しておく必要がある。
▼高コンテキスト社会の日本
なんでもはっきりと明文化して記述する必要のあるアメリカなどと違い、日本はあいまいな表現であっても文脈を読み取ったり、行間を読んだり、見立てのように物事と物事の間にある共通性から類推し意味を理解したり、価値を見いだしたりできる文化がある。これは美点である一方、グループワークなどでは、それぞれの頭の中にあるイメージを外化して示す必要がある。それによって共有ができるようになり、開発のめざすゴールにブレを無くすことができる。
これらのことからもペルソナ/シナリオ法が有用であること。
とてもわかりやすいお話でした。


参加者は、Webデザイナーや学生さん、教員など30名。皆さん熱心に講義を聞き、メモや写真を撮られていました。
2.ユーザインタビュー
講義が終わると、今回のワークショップのお題が提示され、早速グループワークに突入。
まずは、若い学生さんをインタビュー対象に、聞き取りを開始。
半構造化インタビューを用いた調査です。
質問の仕方が難しかったです。
始めは、「お醤油味の料理は好きですか?」「料理でお醤油を使いますか?」など「はい。かいいえで答えられる質問をする。次第に質的インタビューに切り替え、「どんなレシピで作りますか?」など調査していきました。
インタビューのコツとして、
●対象者は自身では問題や不都合には気づいていない。ので聞き手がそれらを引き出す工夫が必要。
●インタビューの最中に、問題の発見、仮説の創出がある。
ということを教わったのですが、今回はインタビューすること、記録することに熱中し、ここまではできませんでした。
3.分析
次にKJ法による分析の段階。
インタビューを記録したリストから、ポストイットに項目を書き出します。
ここのポイントは、「行動や内容」を「動詞」で書くこと。
「食材」「金額制限」「ビジュアル」など名詞で書くと、つながりが後で見いだせなくなる。
「食材を購入する」「金額にはこだわらない」「ビジュアルで検索する」などのように、動詞で記述するのが良い。
今回は時間が限られていたので、分析が終わりきる前に、同時進行でペルソナの作成がスタート。

4.ペルソナ/シナリオ作成
プロフィールの作成から始めました。
プロフィールは、ペルソナの情報でも、インタビュー対象の情報を比較的にダイレクトに読み替えができるので、すんなり記述することができました。
次に、ペルソナの性格を記述。
ここのあたりからグループで「どうする?どうする?」とディスカッションが活発になりました。
そして、一番難しかったのは「ゴール」と「見出し」をつける段階。
シナリオには、サービスシナリオ、アクティビティシナリオとインタラクションシナリオがあるということを教わりましたが、今回は、アクティビティシナリオで記述。
ユーザがゴールに辿り着くまでの道筋を書かなくてはいけません。
始めは「ゴール」を「検索サイトで醤油をキーワードにレシピを見つけること」としていましたが、ディスカッションの末に、「(検索された料理を)画像でみて週末の献立を決めること」にしました。
インタビューで対象者の2人とも検索結果のレシピの画像を見入っていたり、画像検索で料理を探していたのに注目。
シナリオを記述する時には、インタビューで見いだした内容を基にするのが重要であることが体験的に理解できました。

5.プレゼンテーション
時間できっかり作業を終了。ということで、その後はプレゼンテーションに移りました。
若手のグループメンバーが代表してプレゼンしてくれました。
とてもうまくプロセスをまとめて発表してくれました。
「洋食を和食にアレンジするための写真画像を活用したレシピにする。などのもう一歩踏み込んだ視点があれば、これからWebサイトを作る時にいいと思う。」のアドバイスをいただく。


6.リフレクション
今回、学んだこと、理解できたこと。
●インタビューから聞き出した内容をリスト化し、リストを、ポストイットに書き出して、2人の行動や指向性を整理。
●この整理する時のやり方には、こうしなくてはいけませんというルールは決まったものがない。
●カテゴライズする時に、動詞で書く。ポストイットに書く時に動詞で書くとよい。
●ポストイットの貼り方も工夫が必要か?ラベリングのポストイットを、リストのポストイットの上に貼り込むと、まとまりとしてわかりやすい。
●ペルソナを描く時に、リストに書き出されたユーザの行動(事実)から書き起こすのが大切。
●プロフィールは、インタビューしたユーザ情報から比較的ダイレクトに書き起こしやすいので、時間もかけず書き出すことができる。ただし、年齢や性格などは、シナリオに影響が出る場合がありそうだ。設定する場合には、ゴールへの関係が強い要素には注意。
●ゴールの設定では、最終的にどのような事ができるといいのかについて定義する。
これがチームで合意を得るまでに時間がかかったし、ゴールを導く時にはちょっと俯瞰してみることが大切だとわかった。
●サービスでできること=アプリケーションの機能ではなく、システムを使った結果、どういった体験(エクスペリエンス)が得られるのかが大切。
●シナリオには、アクティビティシナリオとインタラクションシナリオがある。(その前にサービスシナリオもある)
●アクティビティシナリオは、「ユーザがゴールに向かう道筋を物語にしたもの。」ゴールに向かう道筋を描くとともに、ゴールで得られるエクスペリエンスの内容も描いてあげると、より良いサービスの内容が描かれるのではないかと感じた。
●アクティビティシナリオは、ユーザビリティーのタスクになるもの。なので使い勝手を描く時に、これとこれとこれがタスクになるという観点を予め洗い出しておいて、それを文章化(シナリオ化)するとうまくいくのかも。と思った。
同じグループの皆さん、お疲れさまでした。
4時間はあっという間にすぎ、とても内容の濃い時間を過ごすことができました。
浅野先生講師の「ペルソナ/シナリオワークショップ」でした。
1.講義
2.ユーザインタビュー
3.分析
4.ペルソナ/シナリオ作成
5.プレゼンテーション
6.リフレクション
という内容。
今回は、普段授業で「仮の」「ラフな」ペルソナ/シナリオ作成で終わっている部分を打開したく、ユーザインタビューからペルソナ/シナリオ作成までの運び方を学ぶのが目的です。
浅野先生もおっしゃっていましたが、書籍で読んでも詳細なやり方がわからないのが、複数のユーザをインタビューしたインタビュー結果からKJ法により分類・分析し、ペルソナ像やゴールを導く手順。
1.講義
ペルソナ/シナリオ法を理解するためには、まずは人間中心設計(Human Centered Design)について理解して下さいということから、人間中心設計のプロセスについて講義してくださいました。
▼人間中心設計プロセエス
1)人間中心設計の必要性の特定
2)利用状況の把握と明示
ユーザ調査(フィールドワーク・オブザベーション・インタビューなどの手法が含まれる)
3)ユーザと組織の要求事項の明示[ユーザにどういった価値を与えるのか?]
ユーザ情報の視覚化(カードソート・ペルソナシナリオ法などの手法が含まれる)
4)設計による解決策の作成[モデル化]
プロトタイピング
5)要求事項に対する設計の評価
ユーザ評価(インスペクション評価・プロトコル分析・長期観察などの手法が含まれる)
参考:人間中心設計とは
ペルソナ/シナリオ法が有効となる背景として、以下のようなお話がありました。
▼これからのデザインは団体戦だ!
「ユーザー像の共有なくしては、戦えない」
「手法を共有化する」ということで、遠隔地にいるスタッフが急に集まっても同じ手法で開発できる。というメリットがある。
▼ガラパゴス化
企業の中の手法がその会社の中だけで定義されている。基本的な制作手法は理解して、共通言語として理解しておく必要がある。
▼高コンテキスト社会の日本
なんでもはっきりと明文化して記述する必要のあるアメリカなどと違い、日本はあいまいな表現であっても文脈を読み取ったり、行間を読んだり、見立てのように物事と物事の間にある共通性から類推し意味を理解したり、価値を見いだしたりできる文化がある。これは美点である一方、グループワークなどでは、それぞれの頭の中にあるイメージを外化して示す必要がある。それによって共有ができるようになり、開発のめざすゴールにブレを無くすことができる。
これらのことからもペルソナ/シナリオ法が有用であること。
とてもわかりやすいお話でした。
参加者は、Webデザイナーや学生さん、教員など30名。皆さん熱心に講義を聞き、メモや写真を撮られていました。
2.ユーザインタビュー
講義が終わると、今回のワークショップのお題が提示され、早速グループワークに突入。
まずは、若い学生さんをインタビュー対象に、聞き取りを開始。
半構造化インタビューを用いた調査です。
質問の仕方が難しかったです。
始めは、「お醤油味の料理は好きですか?」「料理でお醤油を使いますか?」など「はい。かいいえで答えられる質問をする。次第に質的インタビューに切り替え、「どんなレシピで作りますか?」など調査していきました。
インタビューのコツとして、
●対象者は自身では問題や不都合には気づいていない。ので聞き手がそれらを引き出す工夫が必要。
●インタビューの最中に、問題の発見、仮説の創出がある。
ということを教わったのですが、今回はインタビューすること、記録することに熱中し、ここまではできませんでした。
3.分析
次にKJ法による分析の段階。
インタビューを記録したリストから、ポストイットに項目を書き出します。
ここのポイントは、「行動や内容」を「動詞」で書くこと。
「食材」「金額制限」「ビジュアル」など名詞で書くと、つながりが後で見いだせなくなる。
「食材を購入する」「金額にはこだわらない」「ビジュアルで検索する」などのように、動詞で記述するのが良い。
今回は時間が限られていたので、分析が終わりきる前に、同時進行でペルソナの作成がスタート。
4.ペルソナ/シナリオ作成
プロフィールの作成から始めました。
プロフィールは、ペルソナの情報でも、インタビュー対象の情報を比較的にダイレクトに読み替えができるので、すんなり記述することができました。
次に、ペルソナの性格を記述。
ここのあたりからグループで「どうする?どうする?」とディスカッションが活発になりました。
そして、一番難しかったのは「ゴール」と「見出し」をつける段階。
シナリオには、サービスシナリオ、アクティビティシナリオとインタラクションシナリオがあるということを教わりましたが、今回は、アクティビティシナリオで記述。
ユーザがゴールに辿り着くまでの道筋を書かなくてはいけません。
始めは「ゴール」を「検索サイトで醤油をキーワードにレシピを見つけること」としていましたが、ディスカッションの末に、「(検索された料理を)画像でみて週末の献立を決めること」にしました。
インタビューで対象者の2人とも検索結果のレシピの画像を見入っていたり、画像検索で料理を探していたのに注目。
シナリオを記述する時には、インタビューで見いだした内容を基にするのが重要であることが体験的に理解できました。
5.プレゼンテーション
時間できっかり作業を終了。ということで、その後はプレゼンテーションに移りました。
若手のグループメンバーが代表してプレゼンしてくれました。
とてもうまくプロセスをまとめて発表してくれました。
「洋食を和食にアレンジするための写真画像を活用したレシピにする。などのもう一歩踏み込んだ視点があれば、これからWebサイトを作る時にいいと思う。」のアドバイスをいただく。
6.リフレクション
今回、学んだこと、理解できたこと。
●インタビューから聞き出した内容をリスト化し、リストを、ポストイットに書き出して、2人の行動や指向性を整理。
●この整理する時のやり方には、こうしなくてはいけませんというルールは決まったものがない。
●カテゴライズする時に、動詞で書く。ポストイットに書く時に動詞で書くとよい。
●ポストイットの貼り方も工夫が必要か?ラベリングのポストイットを、リストのポストイットの上に貼り込むと、まとまりとしてわかりやすい。
●ペルソナを描く時に、リストに書き出されたユーザの行動(事実)から書き起こすのが大切。
●プロフィールは、インタビューしたユーザ情報から比較的ダイレクトに書き起こしやすいので、時間もかけず書き出すことができる。ただし、年齢や性格などは、シナリオに影響が出る場合がありそうだ。設定する場合には、ゴールへの関係が強い要素には注意。
●ゴールの設定では、最終的にどのような事ができるといいのかについて定義する。
これがチームで合意を得るまでに時間がかかったし、ゴールを導く時にはちょっと俯瞰してみることが大切だとわかった。
●サービスでできること=アプリケーションの機能ではなく、システムを使った結果、どういった体験(エクスペリエンス)が得られるのかが大切。
●シナリオには、アクティビティシナリオとインタラクションシナリオがある。(その前にサービスシナリオもある)
●アクティビティシナリオは、「ユーザがゴールに向かう道筋を物語にしたもの。」ゴールに向かう道筋を描くとともに、ゴールで得られるエクスペリエンスの内容も描いてあげると、より良いサービスの内容が描かれるのではないかと感じた。
●アクティビティシナリオは、ユーザビリティーのタスクになるもの。なので使い勝手を描く時に、これとこれとこれがタスクになるという観点を予め洗い出しておいて、それを文章化(シナリオ化)するとうまくいくのかも。と思った。
同じグループの皆さん、お疲れさまでした。
4時間はあっという間にすぎ、とても内容の濃い時間を過ごすことができました。
2009年12月31日
デザイン、教育、エスノグラフィー
浅野智先生から、リフレクションについてのヒントとして「Ethnography & Design Overview」(中原淳)[参考1]を紹介いただきました。
さっそく、プリントアウトして朝の通勤電車の中で読んでみる。内容はなんとなく理解できたが、周辺的な知識がわからないため、どうも腑に落ちない。
時間ができたので、エスノグラフィーについての文献を輪講した記事(エスノグラフィーすることの研究会)を見つけ、ここについても読んでみました。
やっと、ヒントのツボどころが見えてきた感じです。
What is Ethnography?[参考1]
中原淳先生の論文には次のように説明されています。
1)仮説検証型・量的研究
2)仮説生成型・質的研究
近年は、研究者が研究対象に己の身体を投企し、データを収集し、収集したデータの中から仮説を生成するという方法(2のタイプ)が注目されている。
ミクロなレベルで展開する人間の活動の知見を得るには、文化人類学者の長期住み込み調査とは別の方法論が必要となった。そこで生まれたのが、マイクロエスノグラフィー。フィールドでの細かい観察から仮説生成を目指す方法論。
[1-2. 箕浦康子 方法としてのエスノグラフィー]
教育、デザイン、エスノグラフィーを関連づけて捉えると、やはり、リフレクションとの接点が見えてきそうです。
接点1:評価として
学習者が体験を通して何を得たのかを評価するためのリフレクション
接点2:仮説生成の気づきとして
フィールドワークでの観察から自分が発見したこと、その解釈と論理的意味を他者に伝える際に必要に迫られるリフレクション
書きかけの記事です。
さっそく、プリントアウトして朝の通勤電車の中で読んでみる。内容はなんとなく理解できたが、周辺的な知識がわからないため、どうも腑に落ちない。
時間ができたので、エスノグラフィーについての文献を輪講した記事(エスノグラフィーすることの研究会)を見つけ、ここについても読んでみました。
やっと、ヒントのツボどころが見えてきた感じです。
What is Ethnography?[参考1]
中原淳先生の論文には次のように説明されています。
エスノグラフィーの意味について認知科学あるは教育工学でエスノグラフィーが注目される経緯[参考1]
1)フィールドワークの結果をまとめたモノグラフ(調査書)
2)フィールドワークという調査の方法、或いは、その調査の全プロセス
1)仮説検証型・量的研究
2)仮説生成型・質的研究
近年は、研究者が研究対象に己の身体を投企し、データを収集し、収集したデータの中から仮説を生成するという方法(2のタイプ)が注目されている。
研究対象の世界に研究者が飛び込んでいって、そこで起こった出来事や活動や体験が、そこに生きている人々にとって、どういう意味をもっているのかをさぐりつつ、彼らのいきる世界を記述し、分析し、理解していこうという研究が盛んになっているということです。マイクロエスノグラフィー
ミクロなレベルで展開する人間の活動の知見を得るには、文化人類学者の長期住み込み調査とは別の方法論が必要となった。そこで生まれたのが、マイクロエスノグラフィー。フィールドでの細かい観察から仮説生成を目指す方法論。
仮説生成研究としてのフィールドワーク
第1段階:データ収集・分析(同時進行)
フィールドワークを行いフィールドノートを作成する。
第2段階:第一段階で得た概念枠組みを用いのデータ分析を行う。
フィールドノートの文字情報を分析し、データに根ざした仮説を生成する
第3段階:仮説の既存の理論の中での位置づけを考察し、自分がフィールドで発見したこと、その解釈と論理的意味を他者に伝える。
※エスノグラフィー…他者の生活世界、他者が生きる意味世界を描くこと
※フィールドワーク…エスノグラフィーの素材を集める作業
※フィールドノート…フィールドから戻った後で、メモを元にフィールドの状況をできるだけ正確に復元した記録。フィールドワークの時間の2倍を当日に書くのが望ましい。
[1-2. 箕浦康子 方法としてのエスノグラフィー]
教育、デザイン、エスノグラフィーを関連づけて捉えると、やはり、リフレクションとの接点が見えてきそうです。
接点1:評価として
学習者が体験を通して何を得たのかを評価するためのリフレクション
接点2:仮説生成の気づきとして
フィールドワークでの観察から自分が発見したこと、その解釈と論理的意味を他者に伝える際に必要に迫られるリフレクション
書きかけの記事です。
2009年12月27日
見て学ぶ
学習する際に必要不可欠な共同体。共同体についての説明は以下のとおり。

こうした共同体における学習のメカニズムについては、「認知的徒弟制」(ブラウンとコリンズ)という概念があります。
学生はその様子を見て、「なるほど、そうやってやるのか」と確認し、真似してやってみる。さらに応用して工夫してみる。ということをします。
Aのプロセスとして、我々が良くやる方法としては、
1)デザインのやり方や考え方の示唆するためのテンプレート教材の制作
2)手法をモデル化したワークショップ課題
3)コミュニティーづくり があります。
この考え方で注目したいのは、後半のプロセス。
Bスキャフォルディング(ひとりだちのための足場づくり)
Cフェーディング(援助の減少とひとりだち)
ここをどうやって構築し、学生の学びを支えるのかがポイントになってくるのでしょう。
共同体という概念は、もともと同じ地域に居住するということによって生まれた地縁をさす言葉として発生したものです。
最近では、脱産業社会が訪れるとともに、興味・関心が同じ人々が集まる「関心共同体」が急速に増えてきています。
直接知らない人々が、想像活動によって作るあげる共同体を、「想像の共同体」と呼ぶこともあります。メディアが発達した現代社会では、様々な形で想像の共同体が機能するようになっています。
(『「未来の学び」をデザインする』)
こうした共同体における学習のメカニズムについては、「認知的徒弟制」(ブラウンとコリンズ)という概念があります。
古くから共同体の中で職能を学ぶプロセスである徒弟制に着目し、それを認知的な領域に応用することを考えたもの。
現代でも、内容の定式化・言語化が難しい芸術や調理、研究者養成などの領域では普通に行われている。デザインの教育実践では、確かにその知識の獲得が難しいため、教師が学生に表現方法や考え方を教える際に、目の前でやってみせるということをします。
@モデリング(模範の提示と目的の認識)
学習者にモデルを提示する段階。例えば、調理師を目指す人は皿洗いなどの仕事をしながら、先輩職人の仕事をやり方や包丁の使い方を観察する。
Aコーチング(親方による個別指導)
学習者が失敗を繰り返しながら上達していくプロセスをコーチが見守るという段階。例えば、先輩調理師が適切な課題を選んで手取り足取り教える。
Bスキャフォルディング(ひとりだちのための足場づくり)
自分自身でやっていることを反省的にとらえたり、自分で自分の技術をあげていくことができる工夫をする。
Cフェーディング(援助の減少とひとりだち)
必要なこと意外は口出しせずに、師匠は弟子を独り立ちさせる段階。
学生はその様子を見て、「なるほど、そうやってやるのか」と確認し、真似してやってみる。さらに応用して工夫してみる。ということをします。
Aのプロセスとして、我々が良くやる方法としては、
1)デザインのやり方や考え方の示唆するためのテンプレート教材の制作
2)手法をモデル化したワークショップ課題
3)コミュニティーづくり があります。
この考え方で注目したいのは、後半のプロセス。
Bスキャフォルディング(ひとりだちのための足場づくり)
Cフェーディング(援助の減少とひとりだち)
ここをどうやって構築し、学生の学びを支えるのかがポイントになってくるのでしょう。
つくって・かたって・振り返る
2009年12月26日
「未来の学び」をデザインするを読む
美馬のゆりさんの著書『「未来の学び」をデザインする』の中に、スタフォード(1998年)の学習論の枠組みについてまとめられています。
スタフォード(1998)は従来の学習論の枠組みと状況的学習論の枠組みを、獲得メタファと参加メタファとして対比させていています。

従来の学習が、知識獲得のために、個人的な知識を増やすこととしていたのに対して、近年では、人間の学習を、対話やコミュニケーションから生まれるもの。そして、その時の状況や文脈とは切り離すことができないものと捉えられています。
このような状況的学習論では、学習は、ある共同体の一員になる課程であり、その共同体における言葉を使い、共同体における特定の基準によって行動できるようになることとしています。
上記の考え方は、行動を持って学ぶ。あるいは自分の未来の理想像を抱きながら学ぶということにもつながると思います。
知識を獲得して終わり。ではなく、行動や社会やグループなど自分が身を置くコミュニティーで役立てる人材になること。がゴールなのですね。
よくまとめられているサイト
スタフォード(1998)は従来の学習論の枠組みと状況的学習論の枠組みを、獲得メタファと参加メタファとして対比させていています。
従来の学習が、知識獲得のために、個人的な知識を増やすこととしていたのに対して、近年では、人間の学習を、対話やコミュニケーションから生まれるもの。そして、その時の状況や文脈とは切り離すことができないものと捉えられています。
このような状況的学習論では、学習は、ある共同体の一員になる課程であり、その共同体における言葉を使い、共同体における特定の基準によって行動できるようになることとしています。
上記の考え方は、行動を持って学ぶ。あるいは自分の未来の理想像を抱きながら学ぶということにもつながると思います。
知識を獲得して終わり。ではなく、行動や社会やグループなど自分が身を置くコミュニティーで役立てる人材になること。がゴールなのですね。
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